仏教では、お葬式をはじめ、さまざまなご法要の折に必ずお焼香をします。
これにはお仏前を荘厳することによって敬虔な心をささげるという意味があります。
香は人の気持ちを快くするものですが、それと同時に芳香によって身心を清めるといった意味もあります。
香は仏教だけでなくキリスト教(カトリック)の葬儀でも、前夜式などで用いられているようです。
普通、近親者の焼香は葬儀式の時間内に行われ、一般会葬者の焼香は告別式開始と同時にはじめられます。
お焼香の仕方は宗派などによって違いがありますので、正確にはご尊師にお尋ねください。
お数珠はもともと、お経やお題目をあげるときにその数を数える法具でした。
今ではお経やお題目を唱えたり、仏様を礼拝するときに手をかけてお参りします。
お数珠は持っているだけで功徳があるとされ、普通百八の珠からできています。
これは、百八の煩悩を退散・消滅させる功徳があるからだと言われていますが、珠の数はこのほかにも、百八の十倍の千八十のものから、六分の一の十八のものまでさまざまあります。
形式については宗派によって若干の違いがありますので、求められるときに確認した方がよいでしょう。また、お数珠のかけかたも宗派によって異なります。
合掌は仏様を尊び、供養する気持ちをあらわしたものです。
一説によれば、右手は仏さまを表し、左手は私たち凡夫を表すと言います。
手を合わせることによって仏さまの境地に私たちが近づけるというのです。
いずれにせよ、掌を合わせることによって心が落ちつき、精神が安定するのではないでしょうか。
合掌の仕方は、まず、指と指の間を離さずくっつけ、掌をぴったりと合わせます。
そして位置としては胸の前に、胸にはつけず少し前に出します。
掌の角度は45度くらい。肘は張らず、脇も力を入れて締める必要はありません。
肩の力を抜くようにすればよいでしょう。
厳密にいえば合掌にもいくつかの形があるのですが、この形がもっとも代表的なものです。